撥水性をもつ商品の簡単お手入れ法
<2021年2月18日更新>
こんにちは、mistral Apparel(ミストラルアパレル)です。
いつも快適に着用いただくための化学繊維衣類のお手入れ方法として、前回の『ポリエステル衣類の簡単お手入れ法』では、繊維には大きく分けて「天然繊維」と「化学繊維」の2つあり、化学繊維は繊維長や繊維の断面等を自由に加工・生産しやすいため多くの衣類に採用されていることや、ポリエステル素材のカットソーのあの困ったお悩みに役立ていただける簡単なお手入れ方法をご紹介しました。
今回は、撥水性を持つアイテムの簡単なお手入れ方法をご紹介したいと思います。
「撥水」と「防水」の違い、知っていますか?
ところでよく耳にする「撥水(はっ水)」と「防水」。似ているように思われますが、期待できる効果には大きな違いがあります。その違い、ご存知ですか?
撥水(機能)とは、生地表面で水分を弾く機能です。生地の表面をシリコンやフッ素などで撥水コーティングする加工方法と、生地に使用される糸自体に撥水コーティングをする加工方法があります。この加工をすることにより、水分がコロコロと玉状になり転がり落ちて生地自体が濡れにくくなります。
一方、防水(機能)とは、生地の裏側まで水を通さないようにする機能です。 そのため、撥水の生地より水の侵入を防ぐことができ、強い水しぶきや、強い雨でも水を通しにくくなっています。
防水機能をうたう商品でも、その防水性を高めるために、その多くは撥水機能を付与しています。なお、撥水及び防水は永久的に効果が持続するものではなく、撥水はコーティングが落ちた時、防水は生地が摩耗したり劣化したりするとその機能が損なわれます。撥水は、水分を防ぐ力が防水より弱く、撥水加工された素材の効果も永久的に持続するものではないため、撥水機能が落ちてきたと感じたらお手入れをする必要があります。
撥水しなくなったら?簡単に撥水性を復活させる方法
mistral Apparelでは、特にアウターカテゴリで「撥水」機能があるものをご提案させていただいています。そこで今回は、難しいと思われがちだけど実は簡単にできる、撥水性を蘇らせるお手入れ方法をご紹介します。
お手軽!日常のお手入れ編
手軽にできるお手入れ方法として、アイロン等の蒸気を撥水加工されている面に噴射します。(*1)
そうすることで不安定になった加工表面が安定し、撥水性を取り戻すことができます。
保管方法は、収納袋が付属している場合でも、その袋には入れずハンガーにかけて保管しましょう。
保管場所はこまめに換気し、除湿剤を置くなど湿度に注意してください。
※(*1) 高温の蒸気を生地に直接噴射すると、生地が異収縮を起こす可能性があり、表面がシワになる恐れもあります。
薄手のタオル等を敷いて、その上から低温のアイロン掛けを行ってください。
洗濯編
Step.1 洗う
使用する洗剤は、市販の撥水・防水製品専用が望ましいのですが、通常の洗剤でも洗濯できます。
水温は、目安として40度以下のお湯で通常洗いをします。
柔軟剤は入れないようご注意ください。
柔軟剤が衣類に残ることで、透湿機能や撥水機能が効かなくなってしまいます。
すすぎは必ず2回行い、しっかりと汚れを落とします。
脱水はシワの原因となる為、短めに設定しましょう。
Step.2 干す
直射日光は避け、陰干しを行ってください。
長時間直射日光に当てると、生地の劣化や変色、日焼けを起こし、結果的に撥水の効果も薄れてしまいます。
Step.3 保管前に…
ウエアにごみや汚れがついていないことを確認してから、市販の撥水スプレーを撥水面に噴射してください。
撥水スプレーには通気性が無くなってしまうものがあります。通気性をあまり損なわないものを選ぶようにするとよいです。
至近距離でスプレーすると、効果にムラができる恐れやスプレーの跡が残る場合があります。スプレーは50cmほど離して噴射することをお勧めします。 その後アイロンの蒸気を当てると効果はさらに上がります。
(なるべく室外で行うことをお勧めします。室内で行う場合には、必ず換気するようにしましょう)
※撥水スプレーには「乾燥してから吹きかけるタイプ」「濡れた状態で吹きかけるタイプ」「つけこむタイプ」など、様々なスプレーがあります。ご使用の前に、使用方法をご確認の上、適した工程でご使用ください。
● ご注意事項 ●
・お湯の温度は目安を記載しています。お手入れ前にウエアの品質表示を必ずご確認ください。
特に、洗濯桶のマークの中に書いてある数字は「その衣料を何度以下の水で洗ってください」ということを示しています。
・弊社より推奨している洗剤や撥水スプレーはありません。 使用する撥水スプレーの使用方法を必ず事前に確認し、注意事項や使用方法に従ってご使用ください。
・撥水スプレーの種類によりウエアにスプレー跡が残ってしまうため、あらかじめ目立たない箇所で試してからご使用ください。
通常のお手入れに加えて、ひと手間かけるだけで撥水性の効果を持続することができます。
結果的にウエアの長持ちにつながりますので、是非皆様も日ごろのお手入れと撥水効果が薄れた際にお試しください。